派遣受入期間の制限を受ける業務の範囲
派遣先は、次の(1)から(5)までの場合を除いては、派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(受入期間の設定方法によって意見聴取を経て、3年以内の派遣受入期間が定められている場合は、その定められた期間、それ以外の場合は1年)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできません。
(1)次のⅰ又はⅱに該当する業務で、その業務に係る労働者派遣が労働者の職業生活の全期間にわたるその能力の有効な発揮及びその雇用の安定に資すると認められる雇用慣行を損なわないと認められる「
26業務」(労働者派遣法施行令第4条)
- その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務
- その業務に従事する労働者について、雇用形態の特殊性により、特別の雇用管理を行う必要があると認められる業務
(2)事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって3年以内に完了することが予定されているもの(「有期プロジェクト業務」)
(3)その業務が1か月間に行われる日数が、その派遣就業に係る派遣先に雇用される通常の労働者の1か月間の所定労働日数に比べて相当程度少なく、かつ、月10日以下である業務(「日数限定業務」)
ここで、「通常の労働者」の所定労働日数とは、原則として、派遣先のいわゆる正社員(常用雇用的な長期勤続を前提として雇用される者)の所定労働日数が「通常の労働者」の所定労働日数にあたります。
ただし、その派遣先の正規の従業員の方が少数である場合には、労働者派遣を受け入れようとする業務が属する事業場その他派遣就業の場所に、主として従事する労働者の所定労働日数を、「通常の労働者」の所定労働日数とします。
例えば、正規の従業員が約2割の場外馬券売場の事業場で、所定労働日数が月8日の有期雇用の労働者が主として従事する馬券販売担当部門において、日数限定業務として派遣受入期間の制限なしに労働者派遣を受けようとする場合には、「通常の労働者」の所定労働日数は、月8日となります。
また、「相当程度少なく」とは半分以下の場合をいいます。例えば、通常の労働者の所定労働日数が月20日の場合は、月10日以下しか行われない業務が対象となります。
この日数限定業務に該当するためには、その業務が、通常の労働者の1か月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下しか行われない業務であることが必要です。
したがって、「通常の労働者の1か月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下」を超える日数行われている業務を分割したり、又は集約したりして、その一部を「通常の労働者の1か月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下」となる範囲で派遣労働者に従事させて、他の日は派遣先に雇用されている従業員のみで対応するような場合は、日数限定業務には該当しませんので、派遣受入期間の制限を受けることになります。
例えば、月15日発生する業務を分割して、月10日間だけを派遣労働者に従事させて、残りの月5日間を派遣先に雇用されている従業員に行わせるような場合は、その業務は月15日間行われていることから、日数限定業務にあたらないことになります。
また、「通常の労働者の1か月間の所定労働日数の半分以下、かつ、月10日以下」を超える日数行われている業務について、繁忙対策として、派遣先に雇用されている従業員に加えて、業務量の多い日のみ派遣労働者にも従事させるような場合も、日数限定業務には該当しませんので、派遣受入期間の制限を受けることになります。
なお、日数限定業務に該当する業務としては、例えば、書店の棚卸し業務や、土日のみに行われる住宅展示場のコンパニオンの業務が考えられます。
(4)産前産後休業と育児休業、又は産前休業前の休業や産後休業後の休業、育児休業後の休業で、母性保護又は子の養育をするための休業をする労働者の業務
(5)介護休業及び介護休業後の休業で、育児・介護休業法第2条第4号に規定する対象家族を介護するためにする休業をする労働者の業務
なお、(4)と(5)の業務については、その業務に従事していた派遣労働者が、休業を終えてその業務に復帰する労働者に対して引継ぎを行う場合は、引継時間が必要最小限のものである限りは、④及び⑤の業務に含めて差し支えありません。
(1)に該当する業務であっても、(1)から(5)までの業務以外の業務を併せて行う労働者派遣の場合は、派遣受入期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けることはできません。
派遣受入期間の制限のない業務に付随する業務
(1)から(5)までの派遣受入期間の制限がない業務の実施に伴い、付随的に(1)から(5)以外の派遣受入期間の制限のある業務を併せて行う場合で、かつ、派遣受入期間の制限がある業務の割合が通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数で1割以下の場合は、全体として派遣受入期間の制限を受けない業務とされます。
なお、この場合は、労働者派遣契約において、それぞれの業務の内容及びそれぞれの業務の通常の場合の1日当たり又は1週間当たりの就業時間数又はその割合を定めることが必要となります。

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